思考実験：第二次大戦を起こさないためタイムスリップできるとしたら、いつ、どこに行き、どんな行動をしますか？
面白い思考実験。なるほど＞「室町時代に行って大航海時代に日本も参加、欧州がたどり着く前に東南アジア一帯を征服する」／高校の先生が日本史で授業に使いたいテーマ「第二次大戦を起こさないためタイムスリップできるとしたら、いつ、どこに行き、どんな行動をしますか？」 https://t.co/nFTdP3TE61
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2019年3月5日
これ、面白そうだったので、内容読む前に自分でも思考実験してみる事にしました。この記事更新してから読みます。
第二次大戦が起きないだけで、別の大戦が起きる可能性があるけど、ここでは「第二次大戦を起こさせない事」が目的なので、争いに関しては考えない事とする。あと真似してみようと思うきっかけだった「室町時代」以外を選択。
◆３つのルール
１，自分の意見が権力者に通る（言葉や文化の違いもなく会話も生活も出来る）
２，タイムスリップは一度きり、自分だけ。
３，ネット検索で手に入る程度の知識なら何らかの方法で常に参照出来る
※単なる思考実験なので深い意味もないし、それほど深く調べてもいません。主に私自身の妄想と知識と推測で構成。なので、それは違うとか全否定されても「そうですか」としか言えないし、議論を交わす気もありません。文章作成時点での知識や妄想に基づいた一方的なアウトプット。
いつの時代、どこにタイムスリップするか
江戸末期や明治だともう遅すぎるし、例に出た大航海時代というのはとても良いチョイスだと思う。でもまあ、ここでは同じ時代を選ばないというルールなので、色々と考えた末、2回目の元寇「弘安の役」1281年（弘安4年・至元18年）よりちょっと前。南宋が滅ぶ前に設定。
この後、三回目の日本侵攻も計画してたし（フビライはその前に死去）、結果として元は内乱や海軍力壊滅、鎌倉幕府も弱体化する訳だけど、ここでは「鎌倉幕府を弱体化させない事」をまず考える。
どんな行動をするか？
・灰吹法による産金と貿易で財源確保して、東アジア沿岸部を幕府主導で制圧
※便宜上、支配、制圧としてるけど、近代的な経済活動が行えるように各地で支援。武力活動は躊躇しないけど可能な限り最小限で。そうしないと武力支配とか奴隷支配になり20世紀独立の機運が高まる。
支配地域を近代的な知識に基づき、世界で最も飽食な地域として経済成長させて、日本は宗主国として君臨。技術流出の阻止には最新の注意を払う。
最も大事なのが野蛮な奴隷搾取ではなく、近代的な方法で搾取することで経済基盤を養い、資源確保。各地域が独立して活動できるように支援などもしつつ、大航海時代の列強、そして最終目標の第二次世界大戦が起きないようにする為に、東アジア連邦国を日本独自の軍事力だけでも世界最強になるのを目標とする。
・元寇当時の背景
実際は、幕府や御家人が（様々な事情により）貧困に陥り浪人武士が急増。浪人武士達が九州や瀬戸内海沿岸の海賊（水軍衆）と共に組織化。後の倭寇となって沿岸や内陸も含む東アジアで活動する事になるけど、この倭寇と同じ事を幕府主導で行う。
まず、御家人とか乱暴に一括りにしてるけど、西国はほぼ自治みたいなところも多かっただろうから（詳しくないし調べてない）、ここでは幕府の力を盤石にすべく、太宰府を完全に直轄とする。結局のところ財源が問題だった為、鹿児島の菱刈鉱山で金と銀を産出させて財源確保。灰吹法で錬金、錬銀。
灰吹法はまだ日本には伝来してないけど、技術自体は中国等で既に確立されてたし（金銀を含んだ粗銅を日本から輸入して分離させる事で儲ける大陸の商人がいた）、これと同じ事をやれば国内でも儲かる。
灰吹法が難しければ、単純に鉱石をすり潰して水に入れて沈んだ金を集める、とかでも。
・菱刈鉱山の金と銀を財源に貿易もしつつ西国を直接支配。海軍組織。
※金による財源確保で対外貿易も行い、各地の御家人から招集+幕府直轄軍を組織。
基本的に各地に軍閥を置くと独立されるし、反乱起こされるので、鎌倉から太宰府に遷都して専業の兵士、直轄軍を組織。
和船では限界があるし、海賊衆もうざったいのでガレオン船とか建造できたらいいけど、ネット検索で手に入る程度の知識でガレオン船なんて建造出来るのかわからないから、鉄砲と大筒を作らせて武装化。幸いなことに日本は古代より（一部地域で）製鉄技術が確立されてるし。
ガレー船みたいな概念を伝えて、日本の海岸沿いを高速移動可能に出来ないかな。
鎌倉武者っぽく集団で巻き込んでの騎射（蒙古襲来絵巻参照）と、海上からの砲撃だけでもかなり強力な気がするけど、あとはまあ大筒のお陰で13世紀の攻城戦では圧倒的優位に立てるし、和弓による集団騎射もそこそこ強そう。
あとはモンゴル軍（元軍ではない）みたく逃げながら騎射のヒットアンドアウェイ戦術も鎌倉武者にも同じこと出来ないかな。
鎌倉時代は個人戦の時代だったとかたまに言われるけど、竹崎季長の一騎駆けだってアッピールの側面が大きいし、前述の通り集団騎射の戦術を取り入れてるくらいだったから、国内貴族同士の礼を重んじる戦い（？）以外では一概に言い切れない。
・史実よりも早くナヤンの反乱、大越の離反が起きると仮定して行動。
ナヤンはチンギス・ハーン兄弟系王族支配地域のトップ。大越というか陳朝はベトナム南部のチャンパ王国への元の侵攻の際、元が元寇の際に高麗に課した様な徴発に反発。
これらは最初の元寇、文永の役（1274年）以降ならば必ず起きると仮定。
・南宋の残党が滅ぶ1279年までが勝負
鎌倉幕府は、元寇の際、二度とも高麗遠征を計画するけど、一回目は準備不足、二回目も何故か中止。決行出来てたら当時でも勝ったと思ってるけど、まずは大陸の足がかりとして、高麗へ侵攻。
南宋へはその辺りの地域に既に当時の船でもたどり着けてたから、大筒船で威嚇して和平を結び、海上から周辺の元支配地域を蹂躙。これ、本当はガレオン船が建造できてたらいいんだけど、ここは財力で雇った幕府海軍にガレー船みたいなのを作らせて、バルバロス・ハイレッディンの私掠船団ばりにガレー船で組織化。倭寇ではないから私掠も厳禁だけど。当たり前。
・大越、チャンパは従わなければ制圧。
遠交近攻を基本としたいところだけど、もはやどこが近くて遠いかって話になってくるから、大越と和平を結んでチャンパを制圧。ここ、簡単に言ってるけど、大越、南宋は同程度の国力になって貰いたいところ。あとはまあ一応大理国も。
チャンパとアンコール朝を支配下地域におさめて当面の中継地点としたいけど、ガレー船団でこんな飛び地の支配って出来るのかな。そこは大筒の力でなんとかなると信じる。
・北方も海岸沿いを占領
この「占領」の定義が難しいところだけど、基本的には砲撃を中心に組織。大筒を奪われて似たようなものを作られたらまた話は変わってくるけど、女真も高麗も非モンゴル人だし、女真人は北人として差別対象になってたかも知れないので、うまく味方に引き入れられれば。
・元の首都大都陥落
モンゴル帝国とは違い、元はモンゴル人の軍事力という時代ではなくなってるけど、内乱を制圧し続けてるし、南宋を滅ぼすという実績もあるバヤンもいるし、精強な軍隊には違いないので、簡単ではないけど、海岸沿いに攻める（海上からの砲撃も含む）というのを基本として、大都を制圧。最終的には鎌倉幕府が宗主国の様な形になり、北方は女真族、高麗の北東部は高麗族、高麗南部と大都付近、現在の山東省を陸続きで幕府直轄として、山東省は製鉄拠点に（難しければ華北人に斉国かなんかを作らせる）。大理、南宋（現在の上海付近のみに留めたい）、陳朝も従えさせられれば。
この辺りは大航海時代を先取りする感じで、野蛮な奴隷搾取路線ではなく、現代の非正規雇用者に対する搾取のような形にする。
モンゴルに関しては、いわゆるチンギス・ハーン兄弟系の御三家と結んでモンゴル高原、オゴタイ・ハン国、チャガタイ・ハン国領域辺りは好きにしてくれれば良い。西域は各モンゴル部族やら西夏国（復活させる）やら小国で分割させておいた方が良さそう。
・支配地域
広げすぎても良いことないけど、スコータイやパガン辺りを支配して東南アジアは全て日本の拠点としてしまうのは良い気がする。経済拠点だけで良いので、海岸沿いだけで良さげ。デリー・スルターン朝や元以外のモンゴル帝国系譜諸国とは友好関係を継続し続けるのが良さげ。
・東アジアの宗主国としての日本
そもそも列強国がアジアにしゃしゃり出てこないように、海からやってくる非アジア人は東南アジアで留める。あとはとにかく軍閥が独立とかしない様に、力を与えすぎず、実は奴隷だけどそれに気づかないという現在の非正規雇用者みたいな、緩やかな支配で独自性、自立性を認める。江戸時代みたいに全員が貧乏という統治が良いのかも知れないけど、それ日本人以外には向かなそうだから、国によっては自治だけではなく、清朝が女真人と漢人を同数起用したみたく、各国支配層に同数日本人派遣するとかかな。
国内の権力争いがネックだけど、それを言ってしまうとそもそも13世紀なんて昔に戻ってる時点で無理があるからね。
とにかく近代的な知識を武器に、食糧事情も安定させて経済も発展させたら不満はなくなるけど、それに対して何世紀か後より発展を遂げた勢力が勃興するだろうけど、その時点でもう第二次世界大戦の様な枢軸国にはならないし、連合国の図式も違いそうだからね。
すっごいバカバカしいし、肝心なところをご都合主義的に端折ってるけど、これでも真剣に考えたのです。2時間半くらいかかった。
実はもっと細かく色々考えたんだけど、それこそご都合主義的だから割愛。
・さいごに
前述の通り、単なる思考実験で独り言。議論する気もなければ事実と違ってたり、非現実的だったりしても気にしてません。反論や批判に対して反論する気もありません。ほっといてくれ！
